会社設立登記が終わったら、立ち上げた会社を本格的に稼働させるときです。実際に顧客と取引を行い、売り上げをつくっていくのです。

顧客との取引に必要なものといえば「銀行口座」であり、銀行口座がないと何も進められないといっても過言ではありません。売上の入金も、人件費をはじめとする経費の支払いも、通常は銀行口座を利用して行うものです。

では、数多くある金融機関のうち、どの金融機関で口座を開設すればよいのでしょうか。札幌で会社設立・法人化業務に取り組む税理士・司法書士が解説します。

設立した会社の銀行口座を開設する際に、どこの銀行で解説するべきか、これは意外と重要です。口座開設をして後悔しないように、しっかり考えて開設しましょう。

銀行口座開設の際に、重視するべきことはいくつかあります。下記を総合的に考え、どの銀行で口座を開設するか決めるのです。

上記について、以下において一つずつ解説します。

口座開設を行う際は、顧客等の取引先の利便性や地域を考慮するべきだといえます。銀行口座は開設するだけではなく、口座を通して顧客等とやり取りすることになるため、当然といえば当然です。

顧客がある一定の地域に固まっている場合は、当該地域を代表する地方銀行で口座を開設するとよいでしょう。たとえば当事務所があるのは北海道札幌市ですが、札幌で有力な地方銀行というと、やはり北海道銀行と北洋銀行の2つです。顧客のほとんどが札幌市にいるような場合は、これら二つのうちのいずれかの銀行で口座開設するべきです。

顧客が会社の銀行口座に振り込みを行う際は、振込手数料は顧客負担になるのが通常です。同一銀行内での振込みであれば振込手数料は安くなることが通常なので、顧客の負担を減らすためにも、顧客の大多数が利用している銀行で口座を開設するべきなのです。

会社にとって便利な銀行で口座を開設するに越したことはありません。

私のような士業は、銀行に出入りすることが頻繁にあり、多い日は一日に2回か3回、銀行に出向きます。であるならば、当然利用しやすい場所に支店やATMがある銀行で口座を開設するべきなのです。

なお、利便性といえば昨今はネットバンクを利用する方が増えているといえます。ネットバンクであれば振込手数料等の各種手数料負担が安く、利用しやすいためです。インターネットに抵抗がない人であれば、まさに究極の利便性といえます。

しかしながら、設立したばかりの会社の場合、インターネットバンクで口座を開設するのは簡単ではありません。「インターネットバンク」というくらいですから、支店はなく、口座開設もインターネット上（又は郵送）で行います。このような状態で口座開設を進めるため、銀行側での審査が支店を有するレガシー銀行よりも厳しく、社歴のない会社ということだけで審査が通らないことが多くあるのです。

インターネットバンクを利用したい場合は、社歴をつくり、「会社の実態がないのではないか」と疑われることがなくなってから申し込むとよいでしょう。

金融機関との関係性も口座開設において重要です。

個人事業主時代にお世話になっていた金融機関があるのであれば、会社設立・法人化の後も、当該金融機関との取引を継続することにメリットがあるといえます。会社のメインバンクになってくれる可能性も高いと思うのであれば、まっさきに口座開設をするべきなのは当該金融機関かもしれません。

また、金融機関によっては（もちろん業種にもよりますが）顧客を紹介してくれることもあります。金融機関に対する営業の一環として、まずはその金融機関で口座を開設してもらうという方法もあるでしょう。

会社が利用している銀行口座が、顧客等に会社のイメージを抱かせる場合もあります。

たとえば北海道札幌市にある会社でも、みずほ銀行や三井住友銀行などのメガバンクをメインで利用している会社があります。その会社の請求書には、必ず振込先としてメガバンクの名前が載るため、請求書を受け取った人のなかには「北海道外にも取引先があるのかな」「もともと北海道外で起業したのか」といったことを想起させる場合があります。

このようなことを考えると、顧客等にどのように思ってもらいたいかで、口座を開設する銀行を決める人がいたって不思議ではありません。ＩＴ化などに取り組んでいるという印象を与えたいからネットバンクをメインで使うという人もいれば、地元に根付いているということをアピールするために地方銀行や地元の信用金庫の口座を使っている人もいるのです。

営業時間：9:00〜19:00
※土日も営業しています。

※会社設立のご相談は事前予約制です。