札幌市中央区の当事務所では、会社設立業務に注力していおり、「会計・税務×法務」の両面から、起業家のあなたを徹底してサポートすることが可能です。札幌・札幌近郊で会社設立・法人化（法人成り）をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

さて、会社設立・法人化（法人成り）というと、良い面ばかりが語られがちです。税制面での有利な点のみならず、対外的な信用度が増すことや事業の継続性が制度的に担保されるといったことは、あなたも聞いたことがあるのではないでしょうか。

しかしながら、会社設立を行うことは良いことばかりではありません。会社設立・法人化（法人成り）には、デメリットもあります。札幌で会社設立のご相談に応じる際は、この「会社設立のデメリット」もお伝えすることがありますが、ここでもご紹介いたします。本記事が、起業家であるあなたのお役に立てると嬉しいです。

※以下においては、設立する会社の形態を「株式会社」であると仮定して解説します。

会社設立には、次のようなデメリットがあると考えられます。以下のデメリットを十分理解して、本当に法人化・法人成りがあなたにとって有利なものなのか、検討してください。

個人事業と異なり、会社を設立して運営していくのにはコストがかかります。

株式会社であれば、定期的に役員変更の登記が必要です。たとえ役員を入れ替えることをしなくとも、役員の任期が到来すれば役員の「重任登記（簡単にいうと再任の登記）」を申請しなければなりません。

※役員の任期については、詳しくは「役員の任期は何年が最適？」をご覧ください。

資本金が1億円以下の場合、役員変更登記に登録免許税が1万円かかります。登録免許税の他に、会社登記の専門家である司法書士に役員変更登記を依頼すれば、別途2～3万円程度の費用がかかることになります。

また、株式会社では毎年の決算公告が義務付けられています。現実にこの義務を果たしている株式会社は多くはないものの、決算公告を行おうとするとそれ相応のコストが生じます。公告の方法を「官報」と定めている株式会社がほとんどですが、官報で決算公告を行うと、どうしても7万円程度の費用がかかってしまうのです。毎年掲載費用がかかることを考えると、公告費用は馬鹿になりません。

個人事業であれば、事業が赤字である限り、確定申告で事業所得にかかる所得税を支払う必要はありません。課税の元になる所得がないのですから当然と言えば当然です。

一方で会社であれば、利益がなかったとしても、住民税の均等割りがかかります。最低でも年あたり7万円の負担となるため、これも小さな負担とはいえません。

個人事業主が、取引先と接待交際を行い、費用を支出した場合、その接待交際費は無制限に損金に算入することが可能です（つまり税務上の経費になります）。一方で会社の場合であれば、接待交際費のすべてが損金に算入できるわけではなく、一定の額しか損金扱いにできません。法人化したら接待交際がしにくくなったという話を聞くのはこのためです。

個人事業であれば、管轄の税務署に開業届出を提出してすぐに事業を始めることが可能です。つまり、個人事業であれば開業にコストはかからないのです。

一方で会社であれば、定款の認証や設立登記において、最低でも18万円のコストがかかります。

個人事業であれば、稼いだお金はすべて当該事業主のものです。そのお金を、何に使おうが当該事業主の勝手です。趣味の旅行に使おうが、友人との飲食に使おうが、それはその人の自由なのです（家事費であれば損金に算入することはできませんが）。

一方で会社であれば、会社のお金はあくまで会社のお金であって、会社経営者が家事費として好きに使うことはできません。仮に会社のお金に手をつけてしまった場合、それは横領となり、刑法上の犯罪行為となってしまいます。

会社設立をするなら、上記で紹介したようなデメリットを上回るメリットを見出す他ありません。たとえば個人事業であればこれ以上の成長はできないような場合は、株式会社を設立し、法人としての信用度を武器にビジネスを展開していくことには、一定の価値があります。

このように、会社設立はメリットばかりではないため、デメリットも理解した上で進めるに越したことはありません。札幌・札幌近郊で会社設立のご相談をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。起業家のあなたの力になります。

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